キッズプログラミングは独学で習得できる?挫折率が高いってホント?
子どもでも、プログラミングを独学で習得できるのでしょうか?独学なら自分の都合に合わせて空き時間を使えます。今の子どもたちは、おけいこごとなどで既に時間を作るのも難しい状態ではないでしょうか。教室に通えないかもしれない、それなら独学と考えつきますね。ですが、実は大人でもプログラミングを独学しようとしても多くが挫折してしまうといわれているのです。
特に子どもの場合は集中力が続けばよいですが、飽きてしまうともう二度と触るのも嫌となりかねません。なぜプログラミングの独学は挫折しやすいのか、どう親はアドバイスできるのかなどを知っておきましょう。失敗しやすい点とその解決方法をご紹介します。
独学が失敗しやすい理由
サイトや本などの教材選びが難しい
「プログラミングの勉強をサイトで始めよう!」「書店でプログラミング関連の本を探してみよう!」まず独学のスタートは、こういったところからですよね。ところが、サイトを開くと子ども向けとはなっていても、いきなり何でもできるわけではありません。もちろん本を手に取ってみても、何について解説してあるのかピンとこないこともあります。
ご家庭によっては、プログラミングの独学をきっかけに、初めて本格的にパソコンに触れさせるということもあるのではないでしょうか。そこにいきなり、プログラミングをさせようとしても、やはり無理があります。単にサイトや本で勉強すれば、習得できるとは考えず、○○をしたいという目的やこれからこういった勉強をするという点をはっきりさせておくと、適切な本やサイトが選べます。
対策1:動画サイトなどを徹底的に利用する
Scratchのような、ビジュアルプログラミング言語は、難しく考えず「習うより慣れよ」という面があるのも事実です。やってみれば自分でどんどん新しいことにチャレンジできる子どもも、確かにいます。しかし、基礎的なことはできても、その後自分がどんなものを作りたいのか希望を出したときに、思い通りに作れないこともありますね。そこで独学だとすぐに挫折してしまうでしょう。
そんな場合は、動画サイトなどを利用してみることをおすすめします。音声や映像があると、やはりわかりやすく取り掛かりやすいでしょう。また本ではステップアップしていく内容まで網羅してあることも多く、「ここだけ重点的に勉強したいのに。」という場合には適していません。視覚的に理解することで、学習効率は良くなるでしょう。
対策2:簡単な実践型サイトを繰り返す
プログラミングでは、できるだけレベルの高いことをしたいと考えてしまうかもしれません。しかし、基礎力から応用力を付けていくのは、他のどんな勉強とも違いがありません。最初は対象年齢が、実際の子どもの年齢よりも低いサイトでもかまいません。無理なく楽しくできるサイトで繰り返し練習をするようにしましょう。反復練習は嫌なものと大人は考えてしまいます。ですが、最近は楽しくゲーム感覚で取り組めるサイトも増えています。繰り返すことが苦痛にならず、むしろ自分で進んで勉強するようになる実践的なサイトを選びましょう。
対策3:本は親が学習するところを抽出する
いきなり子どもに本を与えても、どんなにイラストや説明が充実していたとしても、読んで理解できる可能性はあまり高くないでしょう。やはり、書籍は親が手に取って、ステップに応じて少しずつ「この部分を読んでみようか。」と勧める、「この間やった勉強を、ここで復習しようか。」とアドバイスするのがベストです。
ただ親御さんの中にも「自分がプログラミングをちっともわかっていないのに、どうやってアドバイスするの?」と悩んでしまう方もいるでしょう。しかし、わからないからこそ、逆に自分が「あ、これならできそう。」と思うものを選択できるのではないでしょうか。本は初期の段階にいきなり使わなくても、少しステップアップしてから辞書のようにおさらいに使う方法もあります。絵がきれい、わかりやすい、子どもがじっと見入っているなどを目安に書籍を決定するとよいですね。
時間を作りにくい
やはり教室などに通っていると、半ば強制的でも「この時間帯はプログラミングのため。」と学習時間を割くことができます。しかし、独学では時間の都合がつけやすい反面「明日でもいいかな。」と先延ばしにしやすいのではないでしょうか。後回しにしているうちに、やるのが嫌になってしまいますね。
対策1:プログラミング学習時間をはっきりと決めてしまう
教室に行かないにしても、教室と同様にプログラミングを学ぶ時間を決めてしまいましょう。他のおけいこごとがない日、親も一緒にパソコンの前に座れる日などを設定するとよいですね。教室のように厳密ではないので、できない日もあるかもしれません。そんな時もできるだけ「次は土曜日にやろう。」と子どもと約束するようにしてください。
対策2:きっちり予定を入れ過ぎない
プログラミング教室でも、隔週のところもあるので、それほどぎちぎちに学習計画を立てないといけないとは考えなくてよいのです。また、プログラミング的思考を育成する方法はパソコンだけではありません。紙やブロックなどを使った方法も取り入れるようにして、上手に隙間時間を使うとよいでしょう。
やる気の継続が難しい
独学はやはり、ずっと勉強しようとやる気を保つのが難しいものです。そしてプログラミングの本質は「エラーの処理」と言われています。つまり、失敗することが前提にあり、それを解決する方法を模索するという側面が大きいわけです。ここで必要になるのは根気となるわけですが、子どもに「根気強く!」と指導するのはこの上なく難しいものですよね。
対策1:目的・目標をクリアにする
やはりゴールがあれば、過程の大変さは乗り越えられます。小さな目標「このゲームをこう変えたい。」という点をはっきりさせるのも大切です。「資格試験を受けてみよう。」というのもよい目標設定ですよね。また、大きな目標「あのプログラミング言語を使えるようになりたい。」という点も同時に設定させておくことも必要でしょう。
対策2:目標達成のための習慣を決めよう
目標が決まれば何でもできる、のは確かに事実です。でもそれをずっと意識しておくのも難しいですね。特に子どもにとって楽しいことは、どんどん他に出てくるものでしょう。目標を設定して、それを叶えるための習慣を親も一緒に考えておきましょう。習慣化するためには、最初にいきなり長時間プログラミングのための時間を作ってしまうのではなく、少しずつ増やしていくほうが良いのです。
プログラミング独学成功のコツは?
プログラミングを独学で習得する方法は、幸いどんどん増加中です。以前なら数万円単位で購入していたような教材が、サイトを通じて無料で気軽に始められるようになっています。
しかし単純に子どもに「このサイトをやったら?」と勧めるだけでは、大多数は挫折してしまうでしょう。プログラミング的思考を習得させたいなら、親もプログラミング入門に取り掛かるつもりでいたほうがよいかもしれません。
子どもは一度嫌になると、またやりたいということは少ないので、親がうまくアドバイスする必要があります。挫折させないための対策を少しずつ取り入れ、子どもの進捗度も確認しながら独学を進めましょう。